マッチング拠出は、勤務先が出す掛金に加入者本人の掛金を上乗せする制度です。上乗せした掛金は全額が所得控除の対象になり、運用で得た利益にも税金がかかりません。
2026年に入って、使い勝手が大きく変わりました。2026年4月1日から「加入者掛金は事業主掛金の額を超えられない」という制限がなくなり、事業主掛金が月5,000円でも枠が空いていれば月2万円まで拠出できます。さらに2026年12月1日には、拠出限度額が月5万5,000円から月6万2,000円へ上がる予定です。
一方で、iDeCoとの併用はできません。積み立てた資産は原則60歳まで引き出せず、社会保険料も下がりません。
本記事では、制度の仕組みと2026年の改正内容を図解で詳しく解説します。さらにiDeCoとの選び方、注意点、会社側の導入手順までを紹介します。
マッチング拠出とは
マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金(企業型DC)で、会社が出す掛金に加入者本人が掛金を上乗せする制度です。確定拠出年金法にもとづく仕組みで、勤務先が企業型年金規約に定めた場合に限って利用できます。
会社の掛金に自分の掛金を上乗せする仕組み
マッチング拠出は、事業主が出す掛金(事業主掛金)に、加入者本人の掛金(加入者掛金)を上乗せする仕組みです。確定拠出年金法第19条第3項は、規約の定めに従って加入者が年1回以上定期的に自ら掛金を拠出できると規定しています。掛金額を決めるのは加入者本人で、規約には複数の選択肢を設ける決まりです。
2つの掛金は合算され、法令の拠出限度額の枠内に収める必要があります。上乗せ分も事業主掛金と同じ口座で運用され、原則60歳以降に受け取ります。
事業主掛金と加入者掛金の役割を整理すると、次のとおりです。
| 掛金の種類 | 拠出する人 | 金額の決め方 |
|---|---|---|
| 事業主掛金 | 勤務先の会社 | 企業型年金規約で定める |
| 加入者掛金 | 加入者本人 | 規約が示す選択肢から本人が選ぶ |
| 合計 | ― | 法令の拠出限度額の枠内に収める |
出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
加入者掛金は給与から天引きされる
加入者掛金は毎月の給与から差し引かれ、事業主を通じて資産管理機関に納付されます。根拠は確定拠出年金法第21条の3で、事業主が加入者掛金を給与から控除できると定めた条文です。控除した事業主は計算書を作成し、控除額を加入者本人へ通知する義務を負います。
加入者が金融機関へ自分で払い込む手続きは発生しません。毎月の控除額は給与明細に記載され、拠出の状況を把握しやすくなっています。掛金額を変えられるのは原則年1回で、拠出の停止や再開は随時申し出られます。
出典:労働金庫連合会「マッチング拠出について」
会社が導入していないと利用できない
マッチング拠出は、勤務先が企業型年金規約に定めていなければ利用できません。導入するかどうかは労使が規約で決める事項です。運営管理機関連絡協議会の統計では、2025年3月末の企業型DC規約7,432件のうち、マッチング拠出を実施する規約は3,026件でした。
事業所単位でみると58,326事業所のうち11,778事業所にとどまり、割合は約20%です。実施企業に勤める加入者414万人のうち、実際に加入者掛金を拠出しているのは141万人です。利用できるかは、社内規程や加入者向けサイトで確認できます。
出典:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」
2026年の改正で拠出できる額が変わる
マッチング拠出の上限は2026年に二段階で変わります。2026年4月1日に加入者掛金が事業主掛金以下という制限がなくなりました。2026年12月1日には拠出限度額が月6万2,000円へ上がる予定です。
2026年4月に「事業主掛金以下」の制約がなくなった
2026年4月1日から、加入者掛金を事業主掛金の額以下に抑える制限がなくなりました。規約の承認基準を定めた確定拠出年金法第4条第1項第3号の2が削除されたためです。改正前は「事業主掛金以下」と「事業主掛金との合算で拠出限度額以内」という2つの縛りがありました。
4月以降に残るのは、合算で限度額以内という法第20条の縛りだけです。事業主掛金が月5,000円でも、枠が空いていれば加入者掛金を月2万円に設定できます。ただし規約に上限の定めが残っている場合、変更するまで従来の制限が続きます。
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」/厚生労働省「確定拠出年金の企業型年金加入者掛金額の制限撤廃に係る事務の取扱いに関する参考資料」
拠出限度額の引き上げは2026年12月から
企業型DCの拠出限度額は、2026年12月1日から月5万5,000円が月6万2,000円へ上がる予定です。2026年8月時点では未施行で、現在の限度額は月5万5,000円のままです。規約が政令を引用していれば、限度額は12月に自動で上がります。
加入者掛金の変更は原則として年1回までです。ただし2026年12月から2027年11月までは、引き上げに伴う変更を年1回の枠外で行える経過措置が設けられます。
3つの時期の違いを、企業型DCだけに加入している場合で整理します。
| 時期 | 拠出限度額(月額) | 加入者掛金の上限(月額) |
|---|---|---|
| 2026年3月まで | 5万5,000円 | 事業主掛金と同額まで(実質2万7,500円) |
| 2026年4月〜11月 | 5万5,000円 | 5万5,000円-事業主掛金 |
| 2026年12月以降(予定) | 6万2,000円 | 6万2,000円-事業主掛金 |
出典:厚生労働省「企業型確定拠出年金の拠出限度額引上げに係る事務の取扱いに関する参考資料」/厚生労働省「国民年金基金令等の一部を改正する政令(令和7年政令第442号)」
ほかの企業年金があるときの計算
確定給付企業年金(DB)などに同時に加入している場合、拠出限度額は月5万5,000円から他制度掛金相当額を引いた額です。他制度掛金相当額とは、DBなどの掛金を企業型DCの掛金に換算した金額を指します。2026年12月以降は、月6万2,000円から同じ額を引いて計算する予定です。
私立学校教職員共済の加入者も同じ計算です。2021年からの経過措置を続けている場合は月2万7,500円のままです。加入者掛金も、事業主掛金と合わせて計算後の限度額に収める必要があります。
出典:e-Gov法令検索「確定拠出年金法施行令」
マッチング拠出の税制上の扱い
マッチング拠出には、拠出時・運用時・受取時の3つの段階で税制上の優遇が用意されています。加入者掛金は全額が所得控除の対象となり、運用中の利益にも税金がかかりません。受け取る段階でも専用の控除が使えます。
加入者掛金は全額が所得控除になる
マッチング拠出で払った加入者掛金は、その年に支払った全額が所得控除の対象になります。国税庁のタックスアンサーNo.1135に、確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金が小規模企業共済等掛金控除に含まれると明記されています。
たとえば課税所得330万円超695万円以下の人が月2万円(年24万円)を拠出すると、所得税率20%と住民税率10%を合わせた30%分、年7万2,000円ほど軽くなる試算です。復興特別所得税や他の控除は考慮していません。実際の軽減額は個人の状況で変わるため、金額を保証するものではない点にご注意ください。
出典:国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」/国税庁「No.2260 所得税の税率」
運用で得た利益に税金がかからない
マッチング拠出で積み立てたお金の運用益は、受け取るまで課税されません。利息や値上がり益がそのまま次の運用に回るため、複利の効果が働きやすくなります。
証券会社の課税口座では、上場株式などの譲渡益に20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)がかかります。税率の差は、積立期間が長いほど大きく効いてきます。
確定拠出年金の積立金には特別法人税という仕組みがありますが、課税の停止が続いています。停止措置は令和8年度の税制改正で3年延長されました。
出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」/財務省「令和8年度税制改正の大綱」
受け取るときも控除が使える
受け取るときも税負担を抑える控除が使えます。一時金として一括で受け取る場合は退職所得控除、年金形式で分割して受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。
退職所得控除の額は勤続年数で決まります。20年以下なら1年あたり40万円、20年を超える部分は1年あたり70万円で計算します。確定拠出年金では、掛金を積み立てた期間を勤続年数とみなす仕組みです。
拠出から受け取りまでの税制上の扱いを、段階ごとに整理します。
| 段階 | 税制上の扱い |
|---|---|
| 拠出時 | 加入者掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象 |
| 運用時 | 運用益は非課税のまま再投資される |
| 受取時(一時金) | 退職所得控除の対象 |
| 受取時(年金) | 公的年金等控除の対象 |
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
マッチング拠出とiDeCoはどちらを選ぶか
マッチング拠出とiDeCoは同時に使えず、どちらか一方を選びます。判断が分かれるのは、拠出できる額・手数料の負担・商品の選択肢の3点です。勤務先の事業主掛金の額によって、有利な側は入れ替わります。
併用はできず、どちらか一方を選ぶ
マッチング拠出を利用している人は、iDeCoに加入できません。iDeCo公式サイトも、マッチング拠出で加入者掛金を拠出している人を加入対象から外しています。加入者掛金を出しながらiDeCoも使う道はありません。
どちらを選ぶかは本人が決めます。マッチング拠出をやめてiDeCoに移る、逆にiDeCoをやめてマッチング拠出に切り替える形も取れます。ただし勤務先の企業型DC規約にマッチング拠出の定めがなければ、選べるのはiDeCoだけです。
出典:iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」
拠出できる額で選ぶ
拠出できる額は、勤務先の事業主掛金の額と規約の内容で決まります。マッチング拠出は事業主掛金と合算して、月5万5,000円(確定給付企業年金があれば他制度掛金相当額を控除した額)まで拠出できます。2026年4月に制限が撤廃されましたが、適用には勤務先の規約変更が必要です。
iDeCoの上限は月2万円で、事業主掛金などと合算して月5万5,000円の範囲内という条件も付きます(2026年8月時点)。規約が未変更で事業主掛金が月5,000円の場合、マッチング拠出は5,000円まで、iDeCoは2万円まで積めます。
出典:iDeCo公式サイト「制度改正について」
手数料と商品ラインアップで選ぶ
手数料は負担する人が大きく違います。マッチング拠出は企業型DCの仕組みを使うため、運営管理機関などの手数料は勤務先が負担するのが一般的です。加入者の掛金から差し引かれる形にはなりません。
iDeCoは本人負担です。国民年金基金連合会へ加入時に2,829円、掛金を納めるたびに105円がかかり、資産を管理する信託銀行へ月66円が必要になります。拠出を続ける間は毎月171円が引かれます。
商品の選択肢も異なります。マッチング拠出は勤務先が用意した商品から選び、iDeCoは金融機関を自分で選んだうえでその品ぞろえから選びます。
判断材料を4つの軸で並べると、違いがつかみやすくなるはずです。
| 比較軸 | マッチング拠出 | iDeCo |
|---|---|---|
| 拠出できる額 | 事業主掛金と合算して月5万5,000円まで(他制度掛金相当額は控除) | 月2万円まで。事業主掛金などと合算して月5万5,000円の範囲内 |
| 手数料の負担 | 勤務先が負担するのが一般的 | 本人負担(加入時2,829円、拠出中は月171円) |
| 商品の選択肢 | 勤務先の企業型DCが扱う商品のみ | 金融機関を自分で選び、その品ぞろえから選ぶ |
| 手続きの窓口 | 勤務先の人事・総務部門 | 自分で選んだ金融機関 |
※2026年8月時点の制度にもとづきます。
事業主掛金が多く、勤務先が2026年4月の制限撤廃に対応している人は、マッチング拠出のほうが枠も広く手数料も軽くなります。事業主掛金が月数千円にとどまる人や、運用コストの低い商品を自分で選びたい人には、iDeCoが向きます。
出典:iDeCo公式サイト「iDeCo加入手続きについて」/三菱UFJ銀行「iDeCoの手数料」
マッチング拠出の注意しておく点
マッチング拠出は税制上の利点が大きい一方で、始める前に確かめておきたい制約もあります。資金をいつ使えるか、社会保険料はどうなるか、掛金をいつ変えられるかの3点です。運用リスクも含め、押さえておきたい注意点を下の表に整理しました。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 原則60歳まで引き出せない | 積み立てた資産は原則60歳以降の老齢給付金としてしか受け取れない |
| 社会保険料は下がらない | 加入者掛金は給与から控除されるだけで、標準報酬月額は変わらない |
| 掛金変更は原則年1回 | 変更できる時期と回数は勤務先の企業型年金規約で決まる |
| 元本割れの可能性 | 運用商品の値動き次第で、受け取る額が拠出した額を下回る場合がある |
原則60歳まで引き出せない
マッチング拠出で積み立てた資産は、原則として60歳より前には引き出せません。確定拠出年金の給付は老齢給付金が中心で、厚生労働省も受給開始を原則60歳と定めています。
60歳前に受け取る脱退一時金には、資産額25万円以下または通算拠出期間5年以下など、厳しい要件が並びます。運用商品によっては元本を下回る場合もあり、必要な時期に必要な額が用意できるとは限りません。教育費や住宅資金は手元に残し、生活予備費を確保したうえで掛金を決めてください。
出典:厚生労働省「確定拠出年金制度」
社会保険料は下がらない
マッチング拠出を利用しても、社会保険料は安くなりません。加入者掛金は給与から差し引かれますが、社会保険料の計算のもとになる標準報酬月額は、税金などを引く前の給与額で決まるためです。掛金を出しても税引き前の給与は変わらないため、等級は下がりません。給与そのものを減らす選択制DCとは、しくみが異なります。
裏を返せば、将来受け取る厚生年金や、病気で休んだときの傷病手当金は目減りしません。手取りは減るものの、社会保険からの給付は守られる形です。
出典:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
掛金を変えられる回数に制限がある
加入者掛金の額を変更できるのは、原則として年に1回だけです。厚生労働省の確定拠出年金Q&Aでも、12月から翌年11月までの期間内で1回に限り変更できるとされています。実際の変更時期は勤務先の企業型年金規約で定められるため、申し出の締め切りは会社ごとに異なる点に注意が必要です。
ただし、やむを得ない理由がある場合は、拠出の停止と再開はいつでも認められます。収入が減ったときは掛金を0円にできるため、家計の急な変化には対応できます。
出典:厚生労働省「確定拠出年金Q&A」
会社がマッチング拠出を導入する手順
マッチング拠出の導入は、企業型年金規約への追加から始まります。労使の同意を得て地方厚生局に規約変更の承認申請を出し、運営管理機関との事務調整と従業員説明まで進める流れです。準備の全体像を先に表で整理します。
| 手順 | やること | 相手・提出先 |
|---|---|---|
| 1 | 加入者掛金の額の選択肢など制度設計を固める | 人事・運営管理機関 |
| 2 | 過半数労働組合または過半数代表者の同意を得る | 労使 |
| 3 | 企業型年金規約の変更承認申請を出す | 地方厚生局 |
| 4 | 事務フローの調整と給与システムの控除設定 | 運営管理機関・資産管理機関・給与担当 |
| 5 | 従業員へ説明し、加入者掛金の申出を受け付ける | 人事 |
| 6 | 加入後も投資教育を続ける | 事業主(委託可) |
労使合意のうえで規約を変更する
マッチング拠出は、企業型年金規約に加入者掛金の定めを置いて初めて実施できます。規約の変更は原則として厚生労働大臣の承認が必要で、確定拠出年金法第5条第1項に定めがあります。承認申請は、過半数で組織する労働組合、労働組合がない場合は過半数代表者の同意を得て行います。
届出だけで済むのは施行規則第5条の軽微な変更に限られ、掛金の額の算定方法の変更は承認申請の対象です。窓口は管轄の地方厚生局になります。加入者掛金の額は、複数の選択肢を設ける決まりです。
出典:厚生労働省「確定拠出年金法」/東海北陸厚生局「確定拠出年金」
運営管理機関と給与システムの調整をする
規約の承認申請と並行して、運営管理機関や資産管理機関との事務調整を進めます。加入者掛金の申出をいつ受け付け、どの月の給与から反映するかを先に決めておくと、現場が混乱しません。給与システムでは、加入者掛金を控除項目として設定します。
費用の負担割合も、この段階で詰めておきます。厚生労働省の法令解釈通知は、運営管理機関と資産管理機関の事務費について、事業主と加入者の負担割合を規約に定めるよう求めています。あとから変えると加入者の不信を招くため、最初に決めておくほうが安全です。
出典:厚生労働省「確定拠出年金制度について(法令解釈通知)」
従業員へ説明し、投資教育を続ける
従業員説明では、判断を左右する4点を先に伝えます。
- 事業主掛金と合算した拠出限度額(企業型DCのみの加入なら月5万5,000円)
- 原則60歳まで引き出せず、途中で現金化できない
- 給与額そのものは減らないため、社会保険料は下がらない
- 掛金額の変更は、12月から翌年11月までの期間につき1回に限られる
説明会で終わりにはできません。確定拠出年金法第22条にもとづく継続的な投資教育が、事業主の努力義務として残ります。運営管理機関へ委託しても事業主の責任は消えないため、実施状況と効果の確認を続けます。
出典:企業年金連合会「投資教育」
マッチング拠出に関するよくある質問
マッチング拠出は勤務先の企業型年金規約によって細かな運用が変わるため、始める前に不安を感じる人が少なくありません。加入者からの質問が多い4つの論点について、法令や公的機関の資料をもとに答えます。
Q. マッチング拠出は途中でやめられますか?
加入者掛金の拠出をやめる申出はできます。掛金額の変更は企業型掛金拠出単位期間(12月から翌年11月まで)につき1回に限られますが、拠出の停止と再開は回数制限の対象外とされています。
ただし停止しても、積み立てた資産は原則60歳になるまで引き出せません。生活が苦しくなったときの解約という使い方はできない点に注意してください。再開できる時期や手続きは企業型年金規約で決まるため、勤務先の担当部署に確認しましょう。
出典:企業年金連合会「マッチング拠出(企業型年金加入者掛金)」
Q. 加入者掛金はいくらから拠出できますか?
拠出できる最低額は法律で一律に決まっておらず、勤務先の企業型年金規約で定められています。確定拠出年金法第19条第4項は、加入者掛金の額を企業型年金規約で定めるところにより加入者が決定または変更すると規定しているためです。
規約では選べる金額があらかじめ選択肢として示され、5,000円単位の会社もあれば1,000円単位の会社もあります。同じマッチング拠出でも、始められる下限額は勤務先ごとに違います。加入案内や規約、運営管理機関のWebサイトで、選択できる金額を確かめてから申し込んでください。
出典:e-Gov法令検索「確定拠出年金法」
Q. 年末調整や確定申告の手続きは必要ですか?
給与天引きのマッチング拠出なら、加入者が申告書へ記入する手間はほとんどありません。加入者掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象で、勤務先が天引き額を把握しているため、年末調整で控除が反映されます。払込証明書を保険料控除申告書に添える必要もありません。
一方、iDeCoの掛金を自分の口座から払い込む場合は、本人が払込証明書を提出して申告します。生命保険料控除と同じように書類を用意する点が、マッチング拠出との違いです。
出典:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のメリット」
Q. 転職したら積み立てた資産はどうなりますか?
積み立てた資産は個人別管理資産として、転職先の制度へ持ち運べます。事業主掛金とマッチング拠出分は区別されず、同じ資産としてまとめて移換されます。転職先に企業型DCがあればその制度へ、なければiDeCoへ移す流れになります。
注意したいのは手続きの期限です。加入者資格を失ってから6か月以内に移換の手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換の間は運用が止まり、毎月の手数料が差し引かれます。
出典:iDeCo公式サイト「iDeCo加入者で転職・退職された方へ」
勤務先の規約を確かめるところから始めよう
マッチング拠出を使えるかどうかは、勤務先が企業型年金規約に定めているかで決まります。まず社内規程か加入者向けサイトで、制度の有無と選べる掛金額を確認してください。
制度がある会社なら、2026年4月の制限撤廃に規約が対応済みかも確かめます。対応していれば、事業主掛金が少なくても枠いっぱいまで積み立てられます。制度がない会社ならiDeCoが選択肢です。掛金は原則60歳まで引き出せないため、生活予備費を残せる金額から始めましょう。
当オフィスでは、マッチング拠出の規約変更・導入設計から、従業員向け説明会・継続投資教育までをご支援しています。「2026年改正に規約を対応させたい」という段階からお気軽にご相談ください。
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