コンプライアンス規程は、法令を守るための方針と体制を定めた社内文書です。会社法が求める内部統制システムの一部にあたります。
多くの中小企業に、法律上の作成義務はありません。ただし取引先や金融機関から管理体制を尋ねられる場面は増えています。
就業規則との違いも押さえておきたい点です。就業規則は労働者だけを対象とし、労働契約の内容そのものになります。コンプライアンス規程は役員も対象に含められます。
本記事では、規程の位置づけと就業規則・行動規範との違い、記載する6つの項目を図解で整理します。さらに作成の手順、内部通報制度との関係、形骸化させない運用まで紹介します。
コンプライアンス規程とは
コンプライアンス規程は、法令や社会のルールを守るための方針と体制を定めた社内文書です。会社法が求める内部統制システムの土台にもなります。ここでは規程の定義と法律上の位置づけ、中小企業にとっての意味を整理します。
法令遵守の方針を明文化した社内規程
コンプライアンス規程は、法令や社内ルールを守るための基本方針と推進体制を定めた社内文書です。違反が起きたときの対応手順まで含めて明文化します。
コンプライアンスは、一般に「法令遵守」と訳される言葉です。ただし法律を守るだけでなく、社会からの要請に応える意味で使う会社もあります。たとえばハラスメント対策や環境への配慮を含める例です。
口頭の指導と違い、規程にすれば判断の基準が全社で共有できます。会社法施行規則は、損失の危険を管理する規程を体制の一つとして挙げています。
出典:e-Gov法令検索「会社法施行規則」
内部統制システムの一部として位置づけられる
コンプライアンス規程は、会社法が定める内部統制システムの一部に当たります。会社法第362条第4項第6号は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制の整備を、取締役会が決定する事項として挙げています。
体制の具体的な中身は会社法施行規則第100条が定めています。情報の保存と管理、損失の危険の管理、使用人の職務執行が法令に適合する体制などが並びます。整備の決定が義務づけられる会社と、任意の会社を次の表にまとめます。
| 会社の区分 | 内部統制システム整備の決定 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 大会社(資本金5億円以上または負債合計200億円以上)で取締役会を置く会社 | 取締役会が決定する義務あり | 会社法第362条第5項 |
| 大会社で取締役会を置かない会社 | 取締役が決定する義務あり | 会社法第348条第4項 |
| 監査等委員会設置会社 | 規模を問わず取締役会が決定する義務あり | 会社法第399条の13第2項 |
| 指名委員会等設置会社 | 規模を問わず取締役会が決定する義務あり | 会社法第416条第2項 |
| 上記以外の株式会社(多くの中小企業) | 法律上の決定義務なし | ― |
大会社の定義は会社法第2条第6号が定めています。
出典:e-Gov法令検索「会社法」
中小企業でも整備する意味がある
法律上の義務がない中小企業でも、規程を整える意味はあります。理由は、判断に迷う場面で全社共通の基準を示せるからです。
取引先や金融機関から管理体制を尋ねられた際の説明材料にもなります。従業員にとっても、相談先と手順が明記されていれば声を上げやすくなります。
ただし規程があるだけで信頼が高まるわけではありません。運用と周知が伴って初めて効果が出ます。なお公益通報者保護法は、常時使用する労働者が300人以下の事業者について、通報体制の整備を努力義務としています。
出典:e-Gov法令検索「公益通報者保護法」
就業規則・行動規範との違い
コンプライアンス規程と就業規則、行動規範は、いずれも社内ルールを書いた文書です。ただし対象となる人、書く内容、法律上の位置づけが異なります。役割の違いを押さえると、重複や抜け漏れのない体制を組めます。
就業規則との違いは対象と効力
就業規則は労働者だけを対象とし、労働契約の内容そのものになる点が違います。労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則の作成と所轄の労働基準監督署長への届出を義務づけています。届出の単位は企業全体ではなく、本社や店舗などの事業場ごとです。
さらに労働契約法第7条により、周知された合理的な就業規則の労働条件は、そのまま労働契約の中身になります。一方コンプライアンス規程に法律上の作成義務はなく、役員も対象に含められる点が就業規則と異なります。
出典:e-Gov法令検索「労働契約法」
行動規範との違いは具体性
行動規範は価値観を示す文書、コンプライアンス規程は体制と手続きを定める文書です。行動規範は行動指針やコード・オブ・コンダクト(従業員が守る行動の基準)とも呼ばれ、「法令と社会の要請を守る」という水準で書かれます。抽象度が高く、誰が何をするかまでは決まりません。
経済産業省のグループガイドラインは、経営理念や行動規範の共有をソフト面の対応と整理しています。権限配分などのルール整備はハード面の対応です。コンプライアンス規程はハード面にあたり、委員会の設置や報告の流れを定めます。
出典:経済産業省「コーポレートガバナンスに関する各種ガイドラインについて」
3つをどう使い分けるか
使い分けの基本は役割の重ね方です。行動規範で価値観を示し、コンプライアンス規程で体制と手続きを定め、就業規則で労働者の義務と懲戒を定めます。対象と主な内容、法律上の位置づけを並べると、役割の違いがはっきりします。
| 文書 | 対象 | 主な内容 | 法律上の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 行動規範 | 役員・従業員 | 守るべき価値観と行動のあり方 | 作成義務なし |
| コンプライアンス規程 | 役員・従業員 | 推進体制、委員会の設置、違反時の対応手続き | 作成義務なし |
| 就業規則 | 労働者 | 労働条件、服務規律、懲戒の種類と事由 | 労働基準法第89条により、常時10人以上の事業場で作成・届出が義務 |
注意したいのは懲戒の扱いです。コンプライアンス規程に懲戒の定めを置いても、処分するには就業規則の懲戒規定が要ります。厚生労働省のモデル就業規則も、第67条と第68条に懲戒の種類と事由を置いています。処分が重すぎれば労働契約法第15条で無効になります。
出典:厚生労働省「モデル就業規則について」
規程に記載する6つの項目
コンプライアンス規程に盛り込む項目は、大きく6つに整理できます。目的から違反時の対応まで順に定めると、条文の抜けや重複を防げます。中小企業でも6項目をそろえれば、実務で使える規程になります。6つの項目と、それぞれに書く内容を次の表にまとめました。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| ① 目的 | 何のために規程を定めるか。企業理念や行動規範との関係 |
| ② コンプライアンスの定義 | 守る対象の範囲。法令のほか社内規程・企業倫理・社会規範を含めるか |
| ③ 適用範囲 | 対象となる人。役員・従業員・パート・契約社員・派遣労働者・出向者、子会社の扱い |
| ④ 推進体制と責任分担 | 統括責任者、委員会の所掌、事務局の役割、取締役会への報告経路 |
| ⑤ 教育・研修と周知 | 新任者研修と定期研修の頻度、規程の周知方法 |
| ⑥ 内部通報と違反行為への対応 | 通報窓口、調査手順、是正措置、懲戒の根拠 |
目的・定義・適用範囲
①目的は、規程を定める狙いを一文で示します。「法令と社会規範を守り信頼を保つため」と書き、企業理念や行動規範との関係も添えます。②定義では、守る対象の広さを決めます。法令だけに絞るか、社内規程・企業倫理・社会規範まで含めるかを明記します。
③適用範囲は、役員と正社員のほか、パート・契約社員・派遣労働者・出向者(他社に籍を移して働く人)をどこまで含めるかを書きます。子会社やグループ会社を対象とするかも決めます。会社法も、子会社を含む企業集団の業務の適正を確保する体制を求めています。
推進体制と責任者
④推進体制では、誰が責任を負うかを明確にします。コンプライアンス統括責任者を取締役から選びます。委員会の所掌事項と開催頻度、事務局の役割も書きます。取締役会への報告経路と頻度も定めます。
会社法施行規則第100条第1項は、取締役会を置く会社が整える体制を5つ挙げています。その第4号が、使用人の職務の執行が法令と定款に適合する体制です。規程の推進体制は、4号に対応する部分です。第5号は子会社を含む企業集団の体制を求めており、グループ全体への展開が該当します。
教育・通報・違反時の対応
⑤教育・研修では、新任者向けと定期研修を分けて定めます。入社時と年1回など頻度を明記し、社内ポータルへの掲載など周知方法もあわせて書きます。
⑥内部通報と違反対応では、窓口の設置場所と受付方法を定めます。調査から是正措置までの流れも書きます。懲戒は就業規則の定めに基づくため、規程では就業規則を参照する形にとどめます。労働基準法は制裁の種類と程度を就業規則に記載するよう求め、労働契約法は合理性を欠く懲戒を無効としています。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」
作成の手順と承認のしかた
コンプライアンス規程づくりは、リスクの洗い出しから承認、周知までを段階的に進めます。中小企業では総務や管理部門が原案を作り、取締役会や経営会議で決める流れが一般的です。全体像として、5段階の手順を表に整理しました。
| 段階 | 進める内容 |
|---|---|
| ① 法令とリスクの洗い出し | 自社の業種と取引に関わる法令を並べ、起こりうる違反を書き出す |
| ② 基本方針の決定 | 何を守り、どこまでを会社の姿勢として示すかを経営層が決める |
| ③ 条文の作成 | 目的・適用範囲・禁止行為・相談窓口などを条文の形にする |
| ④ 取締役会または経営会議での承認 | 決議または取締役の過半数で正式に定める |
| ⑤ 周知と運用開始 | 従業員へ配布して説明し、教育や点検につなげる |
5段階は目安であり、会社の規模や業種によって順序が前後する場合もあります。
自社のリスクを洗い出すところから始める
規程づくりは、自社の業務に関わる法令を書き出す作業から始まります。関わる法令は業種や取引の形で変わるためです。従業員を雇う会社なら労働関係の法令、個人情報を扱うなら個人情報保護法が土台になります。製造や運送を他社へ委託する会社には、2026年1月1日に下請法から名称の変わった中小受託取引適正化法(取適法)が関わります。
建設業や宅地建物取引業のように、業法が別に置かれた業種も少なくありません。部門ごとに業務を書き出し、どの場面でどの法令に触れるかを一覧にすると、抜けを見つけやすくなります。
出典:公正取引委員会「取適法」
誰が作り、誰が承認するか
原案は総務や管理部門が作り、決定は取締役会で行う形が一般的です。会社法は、業務の適正を確保する体制の整備について、取締役会が決定を取締役に委任できないと定めています(第362条第4項第6号)。代表取締役だけで決めるのではなく、取締役会の決議で定める進め方が説明しやすくなります。
取締役会を置かない会社は、取締役が2人以上いる場合、取締役の過半数で決めます(第348条第3項第4号)。条文の書きぶりに不安が残るときは、顧問弁護士や社会保険労務士の確認を受ける方法もあります。
就業規則の変更が要る場合の手続き
規程に懲戒や従業員の義務を盛り込む場合、就業規則の変更手続きが要ることがあります。労働基準法は、常時10人以上の労働者を使う会社に就業規則の作成と行政官庁への届出を義務づけ、変更したときも同じ扱いと定めます(第89条)。制裁の種類と程度も、就業規則の記載事項です。
作成や変更では、過半数労働組合がなければ労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、意見を記した書面を届出に添えます(第90条)。どこまでを規程に書き、どこからを就業規則に回すかは、社会保険労務士に相談して決める方法があります。
内部通報制度との関係
コンプライアンス規程に通報窓口を書くだけでは足りません。公益通報者保護法は、労働者数に応じた体制整備と担当者の指定を事業者に求めています。法律が求める水準と規程の中身をそろえる作業が欠かせません。
従業員301人以上は体制整備が義務
常時使用する労働者が301人以上の事業者には、内部公益通報に対応する体制の整備が義務づけられています。根拠は公益通報者保護法第11条第2項です。通報窓口の設置や社内規程の整備、労働者への周知が求められます。
労働者が300人以下の事業者は、同条第3項により努力義務にとどまります。義務がない規模でも、体制を整えておけば不正の早期発見につながります。労働者数によって義務の重さがどう変わるかを、下の表にまとめます。
| 常時使用する労働者数 | 体制整備 | 従事者の指定 |
|---|---|---|
| 301人以上 | 義務 | 義務 |
| 300人以下 | 努力義務 | 努力義務 |
出典:消費者庁「公益通報者保護制度」
公益通報対応業務従事者を定める
301人以上の事業者は、公益通報対応業務従事者を定める義務を負います。公益通報者保護法第11条第1項が根拠です。従事者とは、内部通報を受け付けて調査し、是正に必要な措置をとる業務を担当する人を指します。
従事者には守秘義務があり、通報者を特定させる事項を正当な理由なく漏らすと、同法第21条により30万円以下の罰金が科されます。担当を外れた後も義務は続きます。
出典:消費者庁「公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の概要」/消費者庁「はじめての公益通報者保護法」
通報者を不利益に扱わない
公益通報を理由とする解雇は無効です。公益通報者保護法第3条が定めています。第5条は、降格や減給、退職金の不支給その他の不利益な取扱いも禁じています。規程にも、通報者を不利に扱わない旨を書き込みましょう。
2025年6月11日に公布された改正法(令和7年法律第62号)は、通報から1年以内の解雇・懲戒を通報が理由と推定し、解雇や懲戒をした者に刑事罰を科します。施行は2026年12月1日の予定です。
出典:消費者庁「公益通報者保護法と制度の概要」
形骸化させないための運用
コンプライアンス規程の価値は、作った後の運用で決まります。作って終わりにすると、判断に迷う場面で開かれない書類になってしまいます。経営者の発信、研修、定期的な見直しという3つの柱を回し続ける形が求められます。運用の柱ごとに、具体的な取り組みと効果の確かめ方を整理しました。
| 柱 | 取り組み | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 経営者の発信 | 年頭の挨拶や社内報で規程の意義を繰り返し伝える | 発信した場面と回数の記録 |
| 研修 | 自社で起きうる場面を題材に判断を考えさせる | 受講率と理解度テストの結果 |
| 見直し | 法改正や事業内容の変更を機に条文を点検する | 見直しの実施記録と改定履歴 |
経営者が繰り返し発信する
規程を根づかせる出発点は、経営者が自分の言葉で繰り返し伝える場を持つことです。消費者庁の指針の解説は、公正で透明性の高い組織文化を育むことを経営トップの責務と位置づけています。規程の内容を形式的に知らせるだけでなく、組織の長が主体的かつ継続的に呼び掛ける手段が求められると記されています。
伝える場は年頭の挨拶や社内報、朝礼などから選び、あらかじめ決めておきます。経営者が沈黙している会社では、規程は建前として扱われがちです。発信した日付と内容を残しておくと、後から取り組みを説明できます。
出典:消費者庁「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」
研修は事例で考えさせる
研修は条文の読み上げではなく、自社で起きうる場面を題材に判断を考えさせる形にします。消費者庁が企業不祥事の調査報告書265本を分析した資料は、自社の業務内容を踏まえた具体的な不正行為事例の紹介と、同業他社で発覚した事例の周知を挙げています。研修後の確認テストやアンケートで理解度を定期的に確かめる方法も示されています。
内容は新入社員や管理職、役員で分けます。日本取引所自主規制法人の資料も、階層別の研修や他社事例のケーススタディを再発防止策として整理しています。
出典:消費者庁「企業不祥事における内部通報制度の実効性に関する調査・分析」/日本取引所自主規制法人「内部統制強化ハンドブック」
定期的に見直す
規程の見直しは、きっかけを決めて実施します。法改正や事業内容の変更、実際に違反や通報が起きた場面が代表的なきっかけです。消費者庁の指針は、内部公益通報対応体制について定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて改善を行うよう求めています。
効果は研修の受講率や通報件数の推移、従業員アンケートで確かめます。ただし、通報件数が少ない状態が良いとは限りません。制度が知られていない可能性もあるため、周知度とあわせて読み取ります。
出典:消費者庁「公益通報者保護法に基づく指針」
コンプライアンス規程に関するよくある質問
コンプライアンス規程の整備では、用語の使い分けや懲戒との連動など、判断に迷う論点が繰り返し出てきます。中小企業の担当者から質問の多い4つのテーマを取り上げ、法令の条文を確認しながら回答します。
Q. 「規程」と「規定」はどちらが正しいですか?
文書全体を指すときは「規程」、個々の条文を指すときは「規定」と使い分けるのが実務の考え方です。
「規程」は一定の目的で定められた一連の条項の総体、「規定」はその中の個々の定めを指すと説明されています。社内ルールをまとめた文書の題名は「コンプライアンス規程」、第5条の内容を指すときは「第5条の規定」と書きます。
国の公用文の書き方を示した資料に明確な定義はなく、法令用語の辞典類にもとづく整理です。社内で表記がぶれると読み手が迷うため、どちらを使うか統一しておくと安全です。
出典:国立国会図書館「レファレンス協同データベース」
Q. テンプレートをそのまま使ってもよいですか?
ひな形をそのまま使う進め方はおすすめできません。自社の実態に合わない条文が残り、運用できない規程になるためです。
見直しが要る代表的な項目は、適用範囲・推進体制・通報窓口・懲戒との連動の4つです。たとえば内部通報の体制は、常時使用する労働者数が300人を超える事業者には公益通報者保護法第11条で義務づけられ、300人以下は努力義務とされています。
窓口の置き方や担当者の決め方は、規模に応じて書き分けます。ひな形は土台にとどめ、条文ごとに自社で回せるか点検し、迷う部分は社会保険労務士に相談してください。
Q. 規程に違反した従業員をどこまで処分できますか?
処分できる範囲は、就業規則に定めた懲戒の事由と種類にとどまります。労働基準法第89条第9号は、制裁を定める場合に種類と程度を就業規則へ記載するよう求めています。
さらに労働契約法第15条により、行為の性質や態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない懲戒は無効です。規程違反の事実だけで重い処分を選ぶ運用は危険といえます。
減給の制裁にも上限があり、1回の額は平均賃金の1日分の半額まで、総額は一賃金支払期の賃金総額の10分の1までです。個別の判断は弁護士に確認してください。
Q. グループ会社にも同じ規程を適用できますか?
親会社の規程を子会社へ自動的に適用する扱いは認められません。子会社は別の法人であり、規程は各社で決議して定める必要があるためです。
取締役会を置く会社では、親会社と子会社から成る企業集団の業務の適正を確保する体制の整備が、会社法第362条第4項第6号で取締役会の決定事項とされています。会社法施行規則第100条第1項第5号は、子会社の役職員の職務執行が法令と定款に適合する体制を挙げます。
グループ共通の基本方針を示したうえで、各社が自社の規程として決議する形が現実的です。設計は顧問弁護士と詰めてください。
作って終わりにせず、運用で根づかせよう
コンプライアンス規程は、法令を守る方針と体制を定めた社内文書です。多くの中小企業に作成義務はありませんが、判断に迷う場面で全社共通の基準を示せます。
記載する項目は、目的・定義・適用範囲から推進体制や教育、通報や違反時の対応まで6つに整理できます。承認は取締役会の決議で行う進め方が基本です。
ひな形をそのまま使うと、運用できない条文が残ります。自社のリスクを洗い出すところから始め、経営者の発信と研修、定期的な見直しで根づかせてください。
当オフィスでは、コンプライアンス規程やハラスメント防止規程の作成・見直し、就業規則との整合性確認まで支援しています。「自社に合う規程を整えたい」という段階からお気軽にご相談ください。
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