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企業型DC・金融教育

企業型DCに従業員の関心がない理由と対策|伝え方を変える4手順

企業型DCは会社が掛金を出す制度のため、従業員が自分のお金として意識しにくい構造にあります。金融知識を問う調査の平均正答率は53.8%で、制度の言葉が壁になっている面もあります。

無関心が続いた分だけ、会社の負担は回収されません。他制度がない企業の事業主掛金は1人あたり月額16,336円で、年間では19万円を超えます。従業員が価値を感じないままでは、採用や定着を支える福利厚生として働かないのです。

必要なのは説明の量を増やす対応ではなく、伝える中身と順番を変える工夫です。

本記事では、従業員の関心が集まらない4つの理由と、制度ではなく金額から入る伝え方を詳しく解説します。さらに参加率が上がる継続投資教育の設計、年代別のアプローチ、効果を測る指標までを紹介します。

企業型DCに従業員の関心が集まらない理由

企業型DCに従業員の関心が集まらない理由

従業員が企業型DCに目を向けない背景には、制度の仕組みに根ざした4つの要因があります。説明会の内容を練り直す前に、関心が向かない理由を分解しておくと、打ち手の優先順位がはっきりします。要因は心理面と制度面の両方にまたがります。

給与天引きで自分のお金だと感じにくい

企業型DCの掛金は会社が拠出するため、従業員は自分がお金を出している感覚を持ちにくくなります。給与明細に支出として並ばず、手取り額も動きません。財布から出ていく痛みがないまま、年金資産だけが静かに増えていきます。

厚生労働省が公表した資料によると、企業型DCの加入者は2025年3月末時点で862万人、実施事業所は58,326社まで広がりました。制度が広がっても、自分の資産として意識する機会が同じように増えるわけではありません。負担を実感しない分、運用を見直す動機も生まれにくくなります。

出典:厚生労働省「企業型年金の規約数等の推移」

制度の言葉が難しい

「拠出」「移換」「スイッチング」など、日常では使わない専門用語が理解の入り口でつまずきを生みます。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査では、金融知識を問う正誤問題25問の平均正答率は53.8%にとどまりました。学校等で金融経済教育を受けたと認識している人は8.7%です。

用語の意味を知らないまま説明を聞いても、内容は頭に残りません。制度案内でよく登場する用語には、次の意味を添えると誤解が減ります。

  • 拠出:掛金を積み立てること
  • 移換:転職時に年金資産を別の口座へ移す手続き
  • スイッチング:保有商品を売って別の商品へ買い替える操作

出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査(2025年)」

60歳まで引き出せず実感が遠い

企業型DCの資産は原則60歳まで引き出せず、受け取りの実感が遠いため関心が続きません。老齢給付金は通算加入者等期間が10年以上あれば、60歳から75歳までの間で受給開始時期を選べます。期間が10年に満たない場合、受給開始年齢は最大65歳まで繰り下がる仕組みです。

行動経済学では、目先の損得を重く見て長期的に有利な行動を先送りする傾向を近視眼的行動と呼びます。20代や30代にとって、30年以上先に受け取るお金は判断材料になりにくいものです。

出典:企業年金連合会「用語集|老齢給付金(確定拠出年金)」/金融広報中央委員会「行動経済学の金融教育への応用の重要性」

損をする不安から判断を先送りする

元本割れへの不安が強く、商品を選ばないまま放置する従業員が増えます。J-FLECの調査では、50%の確率で元本の2割の利益か1割の損失が生じる投資に対し、72.8%が「投資しない」と回答しました。

利益の喜びよりも同額の損失の痛みを強く感じる心理は、損失回避と呼ばれます。変更の手間を避けて今の状態を続ける現状維持バイアスも重なり、判断の先送りが起きます。説明資料を増やしても、損の不安が残る限り選択は動きません。

出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査(2025年)調査結果」

従業員の無関心が続くと会社に起きること

従業員の無関心が続くと会社に起きること

従業員が企業型DCに関心を示さない状態は、目立ったトラブルがないまま何年も続きます。ただし掛金の負担と加入者への説明責任は、会社側に残ったままです。人事・総務の現場で表面化しやすい3つの変化を整理します。

使われない福利厚生になり投資が回収できない

掛金を出し続けているのに社内で話題にも上らない状態は、会社にとって回収しにくい支出になります。企業年金連合会の2024年度調査では、確定給付企業年金などの他制度がない企業の事業主掛金は1人当たり月額16,336円でした。年間に直すと1人19万円を超える水準です。

制度の運営には、掛金のほかに運営管理機関とのやり取りや規約の管理などの社内工数もかかります。従業員が価値を感じないままでは、採用や定着を支える福利厚生として働きません。

出典:企業年金連合会「2024(令和6)年度 企業型確定拠出年金実態調査結果(事業主掛金)」

マッチング拠出など上乗せの仕組みが使われない

上乗せの仕組みを用意しても、実際に使う従業員は3人に1人程度です。マッチング拠出は、会社が出す掛金に従業員が自分の給与から掛金を上乗せする仕組みを指します。

運営管理機関連絡協議会の統計資料では、2025年3月末の企業型DCの規約7,432件のうち、マッチング拠出の実施は3,026件でした。実施企業の加入者413万人に対し、加入者掛金を拠出していたのは141万人で3割強です。

労使で規約を整えても、使われなければ従業員の資産形成にも会社の説明材料にもつながりません。

出典:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」

事業主の説明責任が問われる場面がある

運用の結果は加入者本人が引き受ける制度ですが、会社の役割がなくなるわけではありません。確定拠出年金法第22条は、加入後も継続して投資教育を行うよう事業主に努力義務を課しています。

努力義務のため罰則はありませんが、説明の機会が乏しいと、退職金の目減りを会社の責任と受け止める従業員が出る可能性は残ります。

元本確保型の商品に偏りやすい点も指摘されますが、根にあるのは情報が届いていない状態です。制度の内容や商品の選び方を伝える場を定期的に設けておくと、説明を求められたときの根拠になります。

出典:厚生労働省「確定拠出年金の投資教育」/e-Gov法令検索「確定拠出年金法」

従業員の関心を引き出す伝え方

従業員の関心を引き出す伝え方

関心が低いままなのは、伝える中身と順番が制度側の都合で組まれているからです。仕組みの説明から入るのをやめ、従業員自身のお金の話を入口にします。金額・言葉・タイミングの3点に分けて、担当者がすぐ着手できる手順をまとめました。

制度ではなく金額から伝える

説明の入口は、制度の仕組みではなく従業員自身の資産残高に置きます。会社が毎月いくら積み立てているかを金額で示すと、聞く姿勢が変わります。加入者には運用状況を知らせる通知書が年1〜2回届くため、残高を確かめる材料はすでに手元にあります。

そこで通知書の見本を配り、残高と掛金額が載っている位置に印を付けて案内します。Web画面は、ログインから残高表示までを3ステップの画像で示す方法が有効です。説明会では、各自のスマートフォンで残高を開く時間を5分取る進め方をおすすめします。

専門用語を日常の言葉に置き換える

社内資料では制度用語をそのまま使わず、日常の言葉に置き換えます。ただし意味がずれると手続きを誤るため、公的機関の定義から外れない範囲にとどめます。主な用語の対応を表に整理しました。

制度用語日常の言葉への言い換え公的機関による定義
拠出会社が毎月積み立てるお金掛金を払い込むこと
配分変更これから積み立てる商品の割合を変える毎月の掛金で購入する運用商品の配分比率を変更すること
スイッチング(預替え)今ある資産を別の商品に移す運用商品の売買でこれまでに積み立てた資産残高を変更すること
移換前の会社の資産を持ち運ぶ転職・退職などの際に、確定拠出年金の制度内で個人別管理資産を移すこと

言い換えた語には、括弧で正式名称を添えます。運営管理機関のWeb画面や通知書には制度用語が並ぶため、両方を知っておくと操作で迷いません。マッチング拠出を採用している会社では、本人が上乗せする分も拠出に含まれる点を補足します。

出典:企業年金連合会「年金用語集」/iDeCo公式サイト「用語集」

伝えるタイミングを設計する

同じ内容でも、届ける時期によって受け取られ方が変わります。事業主には加入者への投資教育が求められており、加入時の1回で終わらせない設計が欠かせません。従業員が動きやすい時期は次の4つです。

  • 入社時・加入時:制度の全体像と最初の商品選択を扱う
  • 運用状況の通知書が届く時期:残高と配分のずれを確かめる
  • 昇給や賞与の時期:手取りと将来の積立を結び付けて考えられる
  • 結婚・出産・住宅購入などの時期:必要になるお金を見直す機会になる

年間の教育計画に4つの時期をあらかじめ書き込むと、単発の説明会で終わりません。案内文の件名にも「残高」「掛金」など金額に関わる語を入れます。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」

参加率が上がる継続投資教育の設計

参加率が上がる継続投資教育の設計

継続投資教育は、開催の有無よりも参加のしやすさで成果が分かれます。実施する日時や1回あたりの長さ、案内の届け方が参加率を左右する要素です。法令が求める水準をふまえ、参加率が上がる3つの設計を整理します。

設計具体的な進め方狙い
就業時間内に実施業務時間に組み込み、会場や配信環境を会社が用意する参加のハードルを下げる
短時間に分けて繰り返す30分程度の内容を年に数回に分ける内容の定着を図る
未受講者に個別に届ける受講データを確認し、対象者へ個別案内する関心の薄い層に届かせる

就業時間内に実施する

継続投資教育は、就業時間内に組み込む形が基本です。厚生労働省の法令解釈通知は、投資教育を運営管理機関へ委託する場合の事業主の協力を示しています。資料の配布や「就業時間中における説明会の実施」、会場の用意にできる限り協力することが望ましいという内容です。

運営管理機関とは、加入者の記録管理などを担う金融機関です。就業時間外の開催では参加が任意になり、関心の薄い従業員ほど欠席します。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度について(法令解釈通知)」

短時間に分けて繰り返す

継続投資教育は、1回で完結させず、短い内容を繰り返す形が定着します。厚生労働省のガイドブックは、加入後の教育を未習得事項のフォローアップと位置づけ、定期的かつ継続的な場の提供を求めています。1回の長さや年間の回数までは示されていません。

企業年金連合会の2024年度調査では、継続投資教育を実施した企業の73.0%が直近1年以内に実施しています。1年以上3年以内は19.6%でした。30分程度の内容を四半期ごとに届ける形なら、業務の合間でも受けられます。

出典:厚生労働省「適切な商品選択に向けた取組のために(ガイドブック)」/企業年金連合会「2024(令和6)年度 企業型確定拠出年金実態調査結果(継続投資教育)」

未受講者に個別に届ける

参加率を押し上げるのは、受けていない従業員への個別の案内です。一斉配信のメールだけでは、関心の薄い層には届きません。法令解釈通知は、事業主が運営管理機関から業務の実施状況について少なくとも年1回以上、定期的に報告を受けるよう定めています。

受講者数や運用の指図の変更回数を受け取れば、未受講の部署や年代が見えます。同じ通知は、基礎的な事項を習得できていない従業員への再教育も事業主に求める内容です。上長からの声かけや個別の日程調整に切り替えると、受講は進みます。

従業員の年代別に変えるアプローチ

従業員の年代別に変えるアプローチ

企業型DCから気持ちが離れる理由は、年代ごとに違います。20〜30代は受け取りが遠く、40〜50代は家計に余裕がなく、定年前は減らす不安が先に立ちます。同じ案内を全員に配っても届きません。3つの層の違いは次のとおりです。

年代関心が向きにくい理由伝える中心配る資料
20〜30代受け取りが30年以上先掛金を積める期間の長さ掛金の累計を年数別に並べた試算シート
40〜50代教育費や住宅ローンで手元資金が減る掛金の上乗せと配分の見直しマッチング拠出の申込案内と配分変更の手順書
定年が近い層値下がりを取り戻す時間が短い受け取り方による税の違い受給手続きの手引きと退職金の支給時期の資料

20〜30代に効く伝え方

20〜30代には、運用の成果ではなく掛金を積める期間の長さを数字で示します。25歳から60歳まで月1万円を拠出すると、運用の損益を除いた累計は420万円です。掛金の合計を先に見せると、受け止め方が変わります。

運営管理機関連絡協議会の統計では、20〜29歳の企業型DC資産の74.0%が投資信託です。投資信託は、集めた資金をまとめて株式や債券で運用する商品を指します。

預貯金は19.0%にとどまり、関心の入口はすでにある状態です。入社時研修で終わらせず、年数別の累計を並べた試算シートを配ります。

出典:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(年齢別資産構成)」

40〜50代に効く伝え方

40〜50代には、掛金の上乗せと配分の見直しという2つの判断だけを渡します。教育費や住宅ローンで支出が重なる時期のため、増やす話だけでは動きません。マッチング拠出は、会社の掛金に加入者が自分の掛金を上乗せする仕組みです。

企業年金連合会の調査では導入企業が52.4%で、確定給付企業年金などがない企業の加入者掛金は平均10,539円でした。実際に上乗せしている加入者は平均35.2%にとどまります。40歳と50歳の節目に、マッチング拠出の申込時期と配分変更の手順を1枚にまとめて配ります。

出典:企業年金連合会「2024(令和6)年度 企業型確定拠出年金実態調査結果(マッチング拠出)」

定年が近い層への伝え方

定年が近い層には、値動きと受け取り方の2点に絞って伝えます。受け取りまでが短いほど、値下がりを取り戻す時間は残りません。受け取り方は年金と一時金があり、一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除の対象です。

退職所得控除は、勤続年数に応じて差し引ける金額を指します。2026年1月1日以後に企業型DCの一時金を受け取ると、その翌年から9年の間に受ける退職金では、勤続期間の重なりが控除の計算から除かれます。

55歳を過ぎた社員には、受給手続きの手引きと退職金の支給時期の資料を個別に渡します。

出典:国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし(税制改正等の内容)」

取り組みの効果を測る指標

取り組みの効果を測る指標

取り組みが効いているかは、感覚ではなく数字で確かめます。企業型DCの運営には、加入者の行動を映す指標がいくつも用意されています。大切なのは、指標を選んで入手し次の施策へ戻す流れです。測り方が決まれば、改善の議論は具体的になります。

見るべき4つの数字

追いかける数字は4つに絞ると運用しやすくなります。案内が届いたかを示す数字と、加入者の行動が変わったかを示す数字を組み合わせます。

指標わかること
継続投資教育の受講率案内が従業員に届いているか
配分変更を行った加入者の割合学んだ内容が運用の変更につながったか
元本確保型のみで運用する加入者の割合預金や保険だけで運用する層がどれだけ残っているか
マッチング拠出の利用率加入者本人が掛金を上乗せする動きがあるか

企業年金連合会の2024年度調査では、継続投資教育を実施した企業が82.1%でした。元本確保型のみで運用する加入者は平均22.6%です。マッチング拠出を導入した企業では、利用率が平均35.2%でした。自社の値を並べると立ち位置がつかめます。

出典:企業年金連合会「2024(令和6)年度 企業型確定拠出年金実態調査結果(実施状況)」

運営管理機関から受け取れるデータ

指標のもとになる数字は、運営管理機関が作成するモニタリングレポートで受け取れます。運営管理機関とは、運用商品の選定や記録管理を担う金融機関などを指します。レポートには加入者全体の資産構成や配分変更の状況が集計値でまとまります。

一方で、誰がどの商品を選んだかという個人単位の情報は事業主に届きません。確定拠出年金法第99条第2項により、運営管理機関が事業主へ個人情報を渡せる場面は、退職者への手続き説明など限られた範囲に絞られています。集計され個人との対応関係が排除された統計情報は、個人情報に当たりません。

出典:個人情報保護委員会「個人情報から作成した統計情報についても匿名加工情報に該当しますか。」

数字を次の施策に戻す

数字が動かないときは、教育の中身ではなく届け方を見直します。受講率が伸びないなら、案内のタイミングが合っていない可能性が高いです。給与明細の配布日や賞与月に合わせると、従業員の関心と重なります。

配分変更が増えない場合の論点は、伝える言葉です。「アセットアロケーション」を「掛金の振り分け」と言い換えるだけでも、受け取り方は変わります。

参加者が集まらないなら実施形式を切り替えます。集合研修から短い動画や個別相談へ移す手も有効です。測って変えてまた測る流れを、年1回の定例業務に組み込みます。

企業型DCへの従業員の無関心に関するよくある質問

企業型DCへの従業員の無関心に関するよくある質問

人事担当者からは、運用の強制や教育頻度に関する質問が多く届きます。ここでは代表的な4つの疑問に、法令と公的機関の資料をもとに回答します。説明会に人が集まらない場合の対処や、中小企業での進め方も取り上げました。

Q. 従業員に運用を強制できますか?

会社が運用商品の選択を強制する権限はありません。確定拠出年金法第25条第1項は、運用の指図を行う主体を企業型年金加入者等本人と定めています。運用の指図とは、どの商品にいくら配分するかの指示を指します。運用の結果として生じる損益も本人に帰属します。

会社の役割は、判断材料と機会を届けるところまでです。同法第22条は、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を継続的に講じる努力義務を事業主に課しました。特定の商品を名指しで勧める進め方は避け、選び方の考え方を伝える形に徹します。

Q. 継続投資教育はどのくらいの頻度で行うべきですか?

法令に「年◯回」という頻度の定めはありません。確定拠出年金法第22条は、必要な措置を継続的に講じる努力義務を定めるにとどまります。厚生労働省の法令解釈通知も、加入後は定期的かつ継続的な投資教育の場を設けるよう求めており、回数の指定はありません。

実務では年1回を基準に置く進め方が現実的です。同じ通知は、運営管理機関から業務の実施状況について年1回以上の定期報告を受けるよう事業主に求めています。報告の時期に教育を重ねると、年間の計画も立てやすくなります。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度について(法令解釈通知・全文)」

Q. 説明会に人が集まらない場合はどうしますか?

集まらない前提で、開催の設計を変えます。企業年金連合会の投資教育ハンドブックは、参加を容易にして出席率を高めるため、継続教育も業務時間内の開催が望ましいとしています。就業時間に組み込み、参加を業務として扱う形が第一歩です。

1回30分程度に短縮し、テーマを1つに絞る工夫も有効です。同ハンドブックには、業務時間外の開催で時間外手当を支給したところ高い参加率になった事例も載っています。会場に集める形にこだわらず、録画配信や個別の声かけも組み合わせます。

出典:企業年金連合会「企業型確定拠出年金 投資教育ハンドブック」

Q. 中小企業でも投資教育に手が回りますか?

社内の人手が足りなくても、外部の無料の仕組みで補えます。法令解釈通知は中小企業について、自ら運用の指図を行っていない加入者の割合が高い傾向を挙げ、投資教育での積極的な働きかけを求めています。投資教育は運営管理機関などへ委託でき、契約先のセミナー教材を使える場合もあります。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の講師派遣も候補です。講義料と交通費は無料で、受講者は原則10人以上が条件になります。講義時間は45〜120分で、対面とオンラインのどちらも選べます。申込みは希望日の45日前までです。

出典:金融経済教育推進機構「講師派遣(出張授業)」

従業員が自分の資産として見る状態をつくろう

企業型DCへの無関心は、従業員の意欲ではなく伝え方の問題です。制度の説明から入るのをやめ、自分の残高と会社が出している掛金額を先に見せてください。

継続投資教育は就業時間内に短く分けて開き、受けていない人へは個別に案内します。年代によって届く言葉は変わるため、20〜30代には積める期間、定年前には受け取り方の税の違いを渡してください。受講率と配分変更の割合を毎年測れば、次に変える点も見えてきます。

当オフィスでは、企業型DCの継続投資教育の設計や、従業員への伝え方・制度の見直しまでをご支援しています。「従業員に自分の資産として意識してほしい」という段階からお気軽にご相談ください。

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