日常生活で悩みや不安を感じる人は78.1%にのぼり、老後の生活設計が63.9%、今後の収入や資産の見通しが60.5%と上位を占めます。
一方で金融経済教育を受けた人は8.7%、お金を専門家に相談する人は5.4%どまりです。学ぶ機会も相談先も乏しいまま、多くの従業員が働いています。
会社が用意できる選択肢は3つあります。知識を届けるFP相談、資金を貸す従業員貸付制度、生活の悩み全般を受け止めるEAPです。公的な無料サービスを使えば、予算をかけずに今日から動き出せるのです。
本記事では、従業員のお金相談に応える福利厚生の3つの選択肢と、費用ゼロで使える公的窓口の入れ方を詳しく解説します。さらに貸付制度の作り方と税務上の線引き、自社に合う制度を選ぶ判断軸までを紹介します。
従業員のお金の相談が福利厚生で求められる背景
老後や収入の不安を挙げる人は6割を超えます。ところが金融教育を受けた人は8.7%、お金を専門家に相談する人は5.4%どまりです。知識も相談先も乏しい現状が、会社側の支援を求める背景にあります。
お金の不安が仕事に及ぼす影響
お金の不安は、暮らしの悩みの中で最も大きな比重を占めます。2025年8月の全国調査では、日常生活で悩みや不安を感じる人が78.1%にのぼりました。
悩みの内容は、次のようにお金に関する項目が上位に並びます。
| 悩みや不安の内容 | 割合 |
|---|---|
| 老後の生活設計 | 63.9% |
| 今後の収入や資産の見通し | 60.5% |
| 現在の収入や資産 | 47.9% |
働く人を対象にした国の調査でも、強い不安やストレスを感じる事柄がある労働者は68.3%でした。家計の心配を抱えたままでは、仕事に集中しづらくなります。
出典:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査)」/厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」
金融教育を受けた人はごくわずか
お金の知識を学ぶ機会は、日本ではまだ限られています。18〜79歳の3万人を対象にした2025年の調査では、金融経済教育を受けたと答えた人は8.7%でした。
金融経済教育とは、家計管理や資産形成、金融トラブル防止などを学ぶ機会を指します。国際比較では日本の9%に対して米国が19%、金融知識に自信がある人は日本13%に対して米国64%です。
学んだ場所で最も多いのは「勤務先の従業員研修・セミナー」で、半数程度を占めました。会社は数少ない学びの入り口になっています。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査(2025年)のポイント」
相談先を持たない従業員の実情
お金の判断を専門家に相談する人は、ごく少数です。金融商品を選ぶときの情報源を聞いた2025年の調査では、「専門家・アドバイザーへの相談」が5.4%にとどまりました。
主な情報源は次のとおりです。
- 金融機関の窓口での相談・販売員の説明 19.5%
- 金融機関のウェブサイト・パンフレット 19.3%
- 家族・友人との会話 15.7%
商品を売る側か身近な人に偏り、中立の相談先が見当たりません。病気や失業に備えて3か月分の生活費を確保していない人も30.0%おり、頼れる先がないまま働く姿が浮かびます。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査(2025年)調査結果」
従業員のお金相談に応える福利厚生3つの選択肢
従業員のお金の悩みに会社が応える手立ては、大きく3つです。知識を学ぶFP相談・マネーセミナー、まとまった資金を貸す従業員貸付制度、生活の悩みを外部の専門家が受け止めるEAPがあります。目的も費用も違うため、悩みの種類で使い分けます。
3つの選択肢の違いを、先に表で整理します。
| 選択肢 | 相談・利用できる内容 | 会社の費用負担 |
|---|---|---|
| FP相談・マネーセミナー | 家計管理、生活設計、NISAやiDeCoなどの資産形成 | 公的機関の講師派遣なら講義料と交通費は無料 |
| 従業員貸付制度 | 生活資金・教育資金・住宅資金の借入 | 貸付の原資と事務手続き |
| EAP | 心の不調、家族やお金を含む生活の悩み | 外部の専門事業者への委託費用 |
FP相談・マネーセミナー
知識不足からくるお金の悩みには、FP相談やマネーセミナーが向いています。FP(家計や保険、資産形成の相談に乗る専門家)が講師や相談員を務めます。
費用を抑えたい場合は、国が設立したJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の講師派遣が使えます。講義料と交通費は無料で、45〜120分の講義を原則10人以上から申し込めます。
個別に話したい従業員には、認定アドバイザーの無料体験相談があります。対面とオンラインは最大1時間、電話は最大30分で、1人1回まで利用できます。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「講師派遣(出張授業)」/金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家に相談したい」
従業員貸付制度
今すぐまとまったお金が要る場面では、従業員貸付制度が役立ちます。会社が生活資金や教育資金を貸し、給与から少しずつ返してもらう仕組みです。
住宅資金なら、公的な財形持家転貸融資も選べます。勤労者退職金共済機構の資金を事業主が借り、要件を満たす従業員へ貸し直す形です。融資額は財形貯蓄残高の10倍以内で、上限は4,000万円です。
常用勤労者300人以下の企業に勤める人には、当初5年間の金利が0.3%下がる特例もあります。ただし返済が前提の制度のため、社内規程づくりは欠かせません。
出典:勤労者退職金共済機構「財形持家転貸融資制度」/勤労者退職金共済機構「中小企業勤労者貸付金利引下げ特例措置」
EAP(従業員支援プログラム)
お金以外の悩みも重なる従業員には、EAPが向いています。EAPは従業員の心や生活の悩みを外部の専門家が受け止める仕組みで、カウンセリングなどを担います。
厚生労働省の指針は職場のメンタルヘルス対策を4つのケアに整理しており、EAPは社外の専門機関を使う4つ目にあたります。借金や家族の問題など、社内では言い出しにくい相談も届きやすい形です。
窓口が社外にあるため、相談内容が上司に伝わる心配も小さくなります。
出典:厚生労働省 こころの耳「EAP(用語解説)」/厚生労働省 こころの耳「メンタルヘルス指針(用語解説)」
従業員向けFP相談を福利厚生に入れる方法
従業員のお金の悩みには、FPによるセミナーと個別相談の2本立てが効きます。公的機関や非営利団体の無料窓口を使えば費用はかかりません。申込の締切と人数の条件を先に確認しておくと安心です。
セミナーと個別相談の使い分け
全員に同じ知識を届けるならセミナー、個人の事情に踏み込むなら個別相談が向いています。理由は、対象人数と踏み込める深さが違うためです。
講師派遣による講義は45〜120分で、受講者は原則10人以上が条件です。対面とオンラインのどちらでも開けます。
一方、個別相談は最大1時間の無料体験で事前予約制です。全社の底上げには向きませんが、住宅ローンや老後資金で悩む社員には個別相談を案内する形が現実的です。
2つの違いを表にまとめました。
| 項目 | セミナー(講師派遣) | 個別相談 |
|---|---|---|
| 向く場面 | 全社員への基礎知識の共有 | 住宅ローンなど個人の悩み |
| 人数 | 原則10人以上 | 1人ずつ |
| 時間 | 45〜120分程度 | 最大1時間 |
| 費用 | 無料(講義料・交通費) | 無料(体験相談) |
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家等による講義を受けたい(企業等の皆さまへ)」
無料で使える公的な相談窓口
予算がなくても、公的機関や非営利団体の無料窓口から始められます。営利目的ではないため、特定の金融商品を売り込まれる心配が少ない点も安心です。
日本FP協会の「くらしとお金のFP相談室」は、1回50分の対面相談が無料です。窓口は札幌や東京、大阪など全国8か所にあります。
日本証券業協会も、社会人向けの講師派遣を無料で行っています。年代別のテーマがそろい、個別の金融商品の勧誘はしないと明記されている点も心強いところです。
主な窓口を表にまとめました。
| 窓口 | 使える支援 | 条件 |
|---|---|---|
| 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」 | FPとの対面相談 | 無料・1回50分・全国8か所 |
| 日本証券業協会 | 職場への講師派遣 | 無料・新入社員からシニアまで |
| J-FLEC | 講師派遣と個別相談 | 無料・対面とオンラインに対応 |
出典:日本FP協会「FP無料体験相談(対面)」/知るぽると「社会人向け無料講師派遣(日本証券業協会)」
導入の流れと確認すること
まず押さえたいのは申込の締切で、J-FLECの講師派遣は開催希望日の45日前が期限です。社内の日程調整を含めると、2か月前から動き出すと余裕を持てます。
申込前に社内で決めておきたい項目は4つです。
- 開催日と講義時間(45分以上)
- 実施方法(対面かオンラインか)
- 参加人数(原則10人以上)
- 取り上げたいテーマ
講義は金融リテラシー・マップ(年代別に必要なお金の知識を整理した指針)に沿って組み立てられ、全都道府県が対象です。経営者から一般社員まで受講でき、無料の講義動画も公開されています。
福利厚生としての従業員貸付制度の作り方
従業員貸付制度は、決める項目を先に固めると運用で迷いません。対象者や上限額など6項目を決め、賃金控除の労使協定と社内規程をそろえます。給与天引きには労働基準法が定める条件があり、協定なしでは差し引けません。
制度設計で決める6項目
制度設計では、対象者・使途・上限額・利率・返済方法・決裁ルートの6項目を先に決めます。あいまいなまま貸すと、社内で不公平感が生まれるためです。
決めた内容は規程に落とし込むので、項目ごとの例を表にまとめます。
| 決める項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 対象者 | 勤続1年以上の正社員など、申し込める範囲 |
| 使途 | 医療費・冠婚葬祭・就学費用など、認める目的 |
| 上限額 | 月給の2か月分まで、といった金額の枠 |
| 利率 | 無利息とするか、年何%とするか |
| 返済期間と方法 | 24回の分割、給与天引きか振込か |
| 決裁ルート | 誰が申し込みを受け、誰が可否を決めるか |
利率は利息制限法が上限を定めており、元本10万円未満なら年20%、100万円以上なら年15%です。無利息や極端に低い利率は税務上の扱いに関わるため、税理士への確認をおすすめします。
出典:e-Gov法令検索「利息制限法」/金融庁「貸金業法のキホン」
労使協定と社内規程の整備
給与から返済分を差し引くには、賃金控除に関する労使協定(会社と従業員代表が書面で結ぶ取り決め)が要ります。労働基準法第24条が、賃金は全額を支払うと定めているためです。
協定を結ぶ相手は、従業員の過半数でつくる労働組合、なければ過半数を代表する人です。書面にする点が条件になります。
あわせて社内規程も整えます。常時10人以上を使う職場には就業規則の届出義務があり、全従業員に適用される定めは記載事項に入ります。貸付制度も規程に明文化すると、担当者が代わっても運用がぶれません。
出典:厚生労働省「労働基準法(法令等データベース)」/栃木労働局「就業規則の作成・変更・届出の義務」
給与天引きで回収する条件
給与天引きで回収できるのは、労使協定があり、従業員が自由な意思で同意している場合に限られます。労働基準法第17条が、前借金と賃金の相殺を禁じているためです。
会社が一方的に差し引く形は認められません。同意は口頭で済ませず、返済額と回数を書いた同意書を残します。
天引きの額は、民事執行法が給与の4分の3にあたる部分の差押えを禁じている点が目安になります。残る4分の1を超えない範囲に抑え、判断に迷う場面は社会保険労務士に相談すると安心です。
出典:厚生労働省 スタートアップ労働条件「貸付金を賃金と相殺することは可能でしょうか?」/広島法務局「給与の差押命令が送達された場合の供託」
お金相談を福利厚生にする際の税務と法律の注意点
お金の相談窓口や貸付制度は、設計を誤ると従業員の給与とみなされて課税されます。線引きは全員が使えるか、金額が常識の範囲かの2点です。相談内容の記録も個人データにあたるため、社内の取扱ルールをそろえておきます。
福利厚生費と給与課税の線引き
福利厚生費として処理できるかは、全従業員が使えるかと、金額が常識の範囲に収まるかの2点で決まります。管理職や勤続5年以上の人だけに絞ると、その分は給与とみなされ、所得税と住民税がかかります。
窓口の作り方で扱いがどう変わるかを、代表的なケースを表にまとめました。
| ケース | 税務上の扱い |
|---|---|
| 全社員が無料で使えるお金の相談窓口 | 福利厚生費(課税なし) |
| 役員や管理職だけが使える相談窓口 | 利用した人の給与(課税) |
| 高額な資産運用コンサル料を会社が負担 | 金額次第で給与とみなされる |
健康診断の費用でも、希望者全員を対象にすれば課税されない扱いが示されています。役員や特定の地位の人だけが対象なら、課税の問題が生じます。お金の相談窓口も考え方は同じで、案内は全社員へ届けておきます。
出典:国税庁「質疑応答事例 人間ドックの費用負担」/国税庁「所得税基本通達(給与等に係る経済的利益)」
無利息の貸付が課税される理由
従業員へ無利息でお金を貸すと、本来受け取るはずの利息分が経済的利益(現金以外の形で受け取る得のこと)とみなされ、給与として課税されます。
ただし課税されない例外が3つあり、どれかに当てはまれば給与扱いを避けられます。実際に線引きされるケースを表で確かめてみましょう。
| 貸し方 | 税務上の扱い |
|---|---|
| 無利息や低い利息で自由に貸す | 利息相当額が給与として課税 |
| 災害や病気で、合理的な金額と返済期間で貸す | 課税なし |
| 平均調達金利など合理的な利率を決めて貸す | 課税なし |
| 所定の利率で計算した利息との差額が1年間で5,000円以下 | 課税なし |
少額の生活支援なら、3つ目の5,000円以下に収まる例も出てきます。貸付の規程を作る前に、税理士へ扱いを確認しておくと安心です。
出典:国税庁「タックスアンサー No.2606 金銭を貸し付けたとき」
相談内容のプライバシーを守る
相談の記録や借入の申込内容は個人データにあたるため、利用目的をあらかじめ決めて本人へ伝えます。本人の同意なしに社外へ渡す扱いは、原則として認められません。
外部のFP会社へ相談窓口を任せる場合、委託元には委託先を監督する義務が生じます。契約書に守秘義務と再委託のルールを書き、年1回は運用状況を確かめておくと安全です。
社内では、相談者の氏名を人事評価や配置の判断に使わない運用が欠かせません。担当者を2名までに絞り、記録は権限付きのフォルダで管理すると、従業員も安心して相談できます。
出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」/個人情報保護委員会「ガイドラインに関するQ&A」
従業員のお金相談の福利厚生を選ぶ判断軸
選ぶ順番は、悩みの種類、予算と社内の手間、試し方の3段階です。急な出費が多い職場と将来のお金に迷う職場では、選ぶ制度が変わります。無料の公的サービスから小さく始める道もあり、予算0円でも動き出せます。
従業員の悩みの種類で選ぶ
最初に決めたいのは、従業員がどのお金に困っているかです。困りごとの中身が変われば、向いている制度も変わります。
公的機関の調査では、従業員が必要性を高く感じる福利厚生の1位は人間ドック受診の補助で、21.8%でした。上位は休暇と健康の支援に偏り、お金の相談は後回しになりがちです。
代表的な悩みと向いている選択肢を、下の表に整理しました。
| 従業員の悩み | 向いている選択肢 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 急な出費で今月の生活費が足りない | 従業員貸付制度 | 現金の不足をその場で埋められる |
| 老後資金や住宅ローンの見通しが立たない | FP相談 | 数年先の計画を一緒に立てられる |
| 借入とメンタルの不調が重なっている | EAP | 心と生活の問題をまとめて扱える |
複数に当てはまる場合は、人数の多い悩みから手をつけます。同じ職場でも20代と50代では悩みが違うため、年代別に聞き取ると外しにくくなります。
出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」
予算と運用の手間で選ぶ
費用は、外に払うお金と社内でかかる手間の両方で見ます。
金融経済教育を担う公的機関の講師派遣は、講義料も交通費も0円で社内セミナーを開けます。産業保健の公的な支援センターでも、人事労務の担当者向けの研修や相談を無料で受けられます。
一方、従業員貸付制度は外部への支払いがほぼ不要です。ただし貸付規程の整備と返済の管理が社内に残り、担当者の手間は毎月続きます。
予算が0円でも工数は0円になりません。担当者の人数から逆算して選ぶと、途中で止まる制度を避けられます。
出典:労働者健康安全機構「産業保健総合支援センターの相談・研修」
小さく始めて広げる進め方
広げるかどうかは、小さく試した反応で決めます。公的機関の無料相談から始める方法が使えます。
まず希望者5〜10名に体験してもらい、感想と相談内容を集めます。相談料が最大8割引になるクーポンもあり、割引額は1時間あたり8,000円、合計3時間分までです。
集まった相談内容が家計や老後資金に偏るならFP相談、返済や生活費の不足が目立つなら貸付制度へと、翌年度の予算要求につなげます。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「J-FLECはじめてのマネープラン」
従業員のお金相談の福利厚生に関するよくある質問
相談窓口の費用は、全従業員が使える形にすれば福利厚生費として扱えます。一方で無利息の貸付は、利息相当額が給与として課税されるのが原則です。相談内容が本人の同意なく会社へ伝わることはなく、無料の公的支援を使えば中小企業でも始められます。
Q. お金の相談窓口の費用は福利厚生費にできますか?
できます。全従業員が利用できる制度として整えれば、福利厚生費として処理する形が一般的です。
一方で、次のような使い方は給与とみなされ、所得税がかかる可能性があります。
- 役員や一部の管理職だけが使える窓口にする
- 相談料を現金で従業員に手渡す
- 一人あたりの負担額が常識の範囲を超える
判断は会社ごとの事情で変わるため、契約前に顧問税理士へ確認すると安心です。
出典:国税庁「タックスアンサー No.2508 給与所得となるもの」
Q. 従業員貸付を無利息にしてもよいですか?
制度として無利息の貸付は可能です。ただし税務上は、通常の利率で計算した利息との差額が給与として課税されるのが原則になります。
課税されない扱いになるのは、災害や病気で臨時に多額の生活資金が必要になった場合、会社の平均調達金利など合理的な利率を決めた場合、利息の差額が1年間で5,000円以下に収まる場合の3つです。
無利息にしたい場合は、対象を災害や病気に絞る設計が現実的です。
Q. 相談した内容が会社に伝わりませんか?
個人が特定される形では伝わらない設計が基本です。外部の相談窓口では、相談者の氏名や相談内容を会社へ共有しない旨を契約書に明記します。会社が受け取るのは、利用件数や相談テーマの内訳といった集計データだけです。
面談の日時調整も窓口側が直接おこなえば、人事は誰が使ったかを把握しません。社内向けの案内文に「人事には伝わりません」と書いておくと、利用のハードルが下がります。
出典:個人情報保護委員会「個人データを第三者に提供する際に本人の同意をとる必要はありますか」
Q. 中小企業でも導入できますか?
できます。予算をかけずに始める方法があるためです。国が設立した金融経済教育の専門機関では、企業への講師派遣を講義料も交通費も無料で引き受けており、実施日の45日前までに申し込めば全国どこでも利用できます。
従業員が個人で使える無料の窓口もあり、会社が費用を出さなくても支援を始められます。
まず無料の研修から試し、相談が増えてきた段階で有料の窓口を検討する進め方が現実的です。
出典:消費者庁 消費者教育ポータルサイト「J-FLEC(金融経済教育推進機構)」
従業員のお金の不安に応える窓口をつくろう
従業員のお金の相談に応える福利厚生は、FP相談・従業員貸付制度・EAPの3つから選べます。悩みの種類で向いている制度が変わるため、まず社内で多い困りごとをつかんでください。
費用をかけずに始めるなら、公的機関の講師派遣が使えます。講義料も交通費もかからず、希望日の45日前までに申し込めば全国どこでも来てもらえます。小さく試し、反応を見てから広げれば無理がありません。
当オフィスでは、FP1級技能士がお金の相談窓口やマネーセミナーの導入、従業員貸付制度の規程づくりまで、従業員のお金の不安に応える福利厚生づくりをご支援しています。
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