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福利厚生・資産形成

福利厚生の資産形成支援4制度|違い・費用・導入手順を解説

福利厚生の資産形成支援4制度|違い・費用・導入手順

退職給付の制度がある企業は74.9%で、5年前の80.5%から減っています。従業員30〜99人の規模では70.1%です。

一方で金融経済教育を受けた人は8.7%にとどまり、学ぶ機会は勤め先に偏っています。制度を持つ会社が減るなか、支える仕組みを備えた会社は求職者の目に留まります。

福利厚生の資産形成支援は、給与天引きの仕組みを整えるだけで始められるのです。会社が大きな掛金を出さなくても、従業員の手元には資産が残ります。

本記事では、福利厚生で使える資産形成の制度4種類と、企業側のメリットやデメリットを詳しく解説します。さらに導入の手順と、制度を使ってもらうための従業員教育の進め方までを紹介します。

福利厚生の資産形成支援とは?注目される背景

福利厚生の資産形成支援とは?注目される背景

福利厚生の資産形成支援とは、財形貯蓄や企業型確定拠出年金のように、給与の一部を将来の資産へ回す仕組みを会社が用意する取り組みです。食事補助のような使い切りの制度と違い、従業員の手元に資産が残ります。

資産形成支援が福利厚生に入る理由

資産形成支援が福利厚生に入る理由は、国が事業主と一緒に従業員の財産づくりを支える仕組みを法律で用意しているからです。財形貯蓄(給与天引きで積み立てる制度)は、働く人の財産形成を国と事業主が支援する制度と位置づけられています。福利厚生そのものも、従業員のモチベーション向上や人材の確保・定着に寄与する制度とされています。月2万円の天引きなら年24万円です。

手取りを増やさなくても、従業員の将来の安心を厚くできます。給与天引きのため、従業員が自分で手続きを続ける手間も小さくなります。

出典:厚生労働省「勤労者財産形成促進制度(財形制度)」/厚生労働省「勤労者の福利厚生について」

消費型と投資型の違い

消費型と投資型の違いは、使ったその場で終わるか、従業員の資産として残るかにあります。消費型は日々の暮らしを助け、投資型は将来のお金を育てます。2つの性格を並べると次のとおりです。

種類代表例使ったあと
消費型食事補助、社員旅行、レジャー施設の割引その場で使い切る
投資型財形貯蓄、企業型確定拠出年金、従業員持株会従業員の資産として残る

利用のされ方にも差が出ます。制度があり利用もある割合は、食堂や食事手当が5割超、財形貯蓄制度や従業員持株制度は3割超という調査結果です。投資型は給与天引きで少額から始められます。月1万円の積立でも10年で120万円になります。

出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」

ファイナンシャル・ウェルビーイングの考え方

ファイナンシャル・ウェルビーイングとは、お金の面で安心して暮らせている状態を指す考え方です。心身の健康に加え、経済的な安定を会社が支える取り組みは人的資本経営の柱とされています。学生が企業に安定を感じるポイントでは、福利厚生が充実しているが53.3%で上位に入ります。資産形成や金融リテラシーの研修を導入する会社には、志望度が高まると答えた学生が8割近くいました。大きく高まるが25.5%、高まるが53.6%という内訳です。賃上げだけでなく、お金との付き合い方を支える視点が求められます。

出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「企業内教育の必要性」

福利厚生で導入できる資産形成制度4種類

福利厚生で導入できる資産形成制度4種類

福利厚生で導入できる資産形成の制度は4つあります。財形貯蓄・企業型確定拠出年金・従業員持株会・職場つみたてNISAです。どれも給与天引きで積み立てますが、非課税の範囲や上限額、会社の負担は制度ごとに違います。4つの制度を、積立の上限と会社側の負担で並べると違いがはっきりします。

制度積立・非課税の上限会社が負担するもの
財形貯蓄住宅・年金を合わせて元利合計550万円まで利子非課税給与天引きの事務
企業型DC会社の掛金が月5万5,000円まで毎月の掛金
従業員持株会上限は会社の規約で決める奨励金と事務の費用
職場つみたてNISA年120万円・生涯1,800万円手続きの窓口役(奨励金は任意)

財形貯蓄制度の3種類

財形貯蓄は使い道で3種類に分かれ、税の優遇があるのは住宅と年金の2つです。一般財形貯蓄は目的の制限がなく、積立開始から1年たてば自由に払い出せます。ただし利子には20.315%の税金がかかります。住宅と年金は55歳未満の従業員が5年以上積み立てる決まりです。2つ合わせて元利合計550万円までの利子が非課税になります。月2万円の積立なら年24万円で、550万円の枠を使い切るには20年ほどかかる計算です。3種類の違いは次のとおりです。

種類使い道利子の非課税
一般財形貯蓄制限なしなし
財形住宅貯蓄住宅の建設・購入・リフォーム年金と合わせて元利合計550万円まで
財形年金貯蓄60歳以降に受け取る年金住宅と合わせて元利合計550万円まで

出典:勤労者退職金共済機構「一般財形貯蓄|財形貯蓄制度」/国税庁「No.1319 財形年金貯蓄」

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が毎月の掛金を出し、従業員が自分で運用先を選ぶ年金制度です。会社が出せる掛金は1人あたり月5万5,000円が上限になります。確定給付企業年金(受取額を会社が約束するタイプの年金)もあれば、その掛金相当額を引いた額までです。運用先は、運営管理機関(商品を選ぶ金融機関)が並べた投資信託や預貯金、保険から加入者が選びます。月1万円の掛金なら、会社の負担は年12万円です。受け取りは原則60歳からで、加入期間が10年に満たないと開始時期が後ろにずれます。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」/厚生労働省「確定拠出年金制度の対象者・拠出限度額」

従業員持株会

従業員持株会は、給与や賞与から天引きしたお金をまとめて自社株を買い、会社が奨励金を上乗せする仕組みです。奨励金は、毎月の拠出金に一定の比率をかけた額か定額で決めます。拠出金1,000円あたりの奨励金は平均で95円ほど、率にして9.5%程度という集計があります。月1万円の拠出なら950円が上乗せされる水準です。ただし奨励金は給与として扱われ、財形や企業型DCのような非課税の枠はありません。上場会社の約8割が持株会を設けているものの、加入者は導入企業の従業員の4割ほどにとどまります。

出典:日本証券業協会「持株制度に関するガイドライン」/三菱UFJ信託銀行 MUFG資産形成研究所「従業員持株会の役割等について」

職場つみたてNISA

職場つみたてNISAは、会社が金融機関と契約し、従業員がNISAで積立投資を始められるようにする福利厚生の制度です。利用するには、事業主とNISA取扱業者との契約が前提になります。従業員は選ばれた商品の中から積立先を決め、給与天引きや口座引き落としで毎月同じ額を投資します。NISAのつみたて投資枠は年120万円、生涯で1,800万円までが上限で、運用で増えた分に税金はかかりません。月2万円の積立なら年24万円となり、枠には余裕があります。会社に掛金の負担は求められず、奨励金の上乗せは任意です。

出典:日本証券業協会「職場つみたてNISAについて」/国税庁「No.1535 NISA制度」

福利厚生に資産形成を取り入れる企業側のメリット

福利厚生に資産形成を取り入れる企業側のメリット

資産形成の支援は、退職金制度が減るなかで採用の決め手になります。従業員の金融知識が底上げされ、企業型DCの掛金は全額を損金に算入できます。会社に返ってくる3つの利点を公的なデータで整理しました。

人材の定着と採用力の向上

資産形成の支援は、求職者から比べられたときの差になります。退職給付の制度がある企業は74.9%で、5年前の80.5%から減りました。従業員30〜99人の規模に絞ると70.1%です。企業が福利厚生に期待している目的は、調査で次の順に並んでいました。

  • 従業員の仕事に対する意欲の向上: 60.1%
  • 従業員の定着: 58.8%
  • 人材の確保: 52.6%

制度を持つ企業が減っているいま、80名規模で資産形成の支援を用意すれば少数派に入れます。求人票や面接で語れる材料が1つ増えます。

出典:厚生労働省「令和5年 就労条件総合調査の概況」/労働政策研究・研修機構(JILPT)「企業における福利厚生施策の実態に関する調査 報告書」

従業員の金融リテラシー向上

金融の知識を学ぶ入口は、いまや職場です。金融経済教育を受けたと答えた人は8.7%にとどまり、学んだ場所は勤務先の研修やセミナーが半数程度を占めました。会社が場をつくらなければ、学ぶ機会のない従業員が残ります。お金の知識を測る25問の正答率は、全体で53.8%でした。金融経済教育を受けた人はどの年齢層でも正答率が高く、研修の効果は数字に表れています。国の機関が講師を無料で派遣する仕組みもあり、費用をかけずに始められます。お金の話が通じる従業員が増えれば、制度説明にかかる人事の手間も減ります。

出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査(2025年)」/金融経済教育推進機構(J-FLEC)「職場向け講師派遣」

税制上の扱いと企業の負担

企業型確定拠出年金(企業型DC)の事業主掛金は、全額を損金に算入できます。掛金の上限は1人あたり月5万5,000円で、確定給付企業年金などがある場合はその金額を差し引きます。税制上の扱いは下の表のとおりです。

対象扱い
会社が出す掛金全額を損金算入
従業員が上乗せする掛金全額が所得控除
運用中の利益非課税

同じ額を給与で増やす場合と比べ、従業員の手元に残る効率は高くなります。ただし制度ごとに扱いが違うため、導入前に税理士へ確認すると安心です。

出典:国税庁「No.5231 確定給付企業年金等に係る課税関係」

導入前に押さえる福利厚生の資産形成のデメリット

導入前に押さえる福利厚生の資産形成のデメリット

福利厚生の資産形成には3つのデメリットがあります。担当者の事務が増え、従業員は元本割れのリスクを抱えます。一度始めると廃止しにくい点も見落とせません。導入前に対策を決めておけば、人事・総務の負担は小さく抑えられます。

事務負担と担当者のコスト

導入後は、毎月の給与天引きと金融機関への払込が担当者の定常業務になります。賃金は全額を支払うのが原則のため、天引きには労使協定などの手続きが要ります。発生する事務の中身は次のとおりです。

  • 労使協定の締結と、金融機関との事務分担の取り決め
  • 加入・脱退・積立額変更の受付と名簿の管理
  • 毎月の給与と賞与からの控除、金融機関への払込

負担を抑えるには、契約前に金融機関へ事務の分担範囲を確認しておくと安心です。給与システムと連携できる先を選べば、手作業は減らせます。

出典:厚生労働省「労働基準法第24条(賃金の支払)について」

元本割れなど従業員側のリスク

運用型の制度では、従業員が値動きのリスクを負います。企業型確定拠出年金(企業型DC)は、加入者が自分で運用商品を選び、その結果に応じた金額を受け取る仕組みです。相場が下がれば、受取額が掛金の合計を下回る場合もあります。従業員持株会は自社株だけに資産が偏ります。業績が悪化すると、給与と資産の両方が同時に減ってしまいます。対策としては、事前の説明を厚くしておくのが有効です。企業型DCでは投資教育が事業主の努力義務とされており、分散投資の考え方まで伝えると納得感が高まります。

出典:金融庁「資産形成の基本(NISA特設ウェブサイト)」

一度始めると廃止しにくい

福利厚生の縮小や廃止は、労働条件の不利益変更にあたる場合があります。労働契約法第9条は、労働者と合意せずに就業規則を変更して不利益に労働条件を変えるのを認めていません。例外として第10条があり、変更後の規則を周知したうえで内容が合理的と認められれば変更できます。ただし合理性は、不利益の程度や変更の必要性、労使の交渉状況から総合的に判断されます。そのため、掛金は無理のない水準から始めるのが安全です。業績連動の上乗せ分を別枠にしておくと、制度本体を残したまま調整できます。

出典:e-Gov法令検索「労働契約法 第9条・第10条」

制度別に見る福利厚生の資産形成の導入手順

制度別に見る福利厚生の資産形成の導入手順

福利厚生の資産形成は、取扱金融機関を選ぶところから始まります。労使協定と社内規程を整え、従業員への説明と募集へ進む流れです。財形貯蓄と企業型DCでは手続きが違うため、制度ごとの違いも先に確認しておくと安心です。

取扱金融機関の選定

導入の一歩目は、取扱金融機関を決めることです。従業員のニーズと社内の事務量の両方を見て選び、届け出の受付や払い込みをどちらが担うかまで固めます。全体の流れは次の4ステップです。

順番やること
1取扱金融機関の選定と事務処理体制づくり
2賃金控除の労使協定を締結
3社内規程の制定
4従業員への説明と申込みの募集

窓口が決まらないと申込書の受け渡し先も決まりません。金融機関選びを先に済ませると、後の工程が滞りません。

出典:勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部「財形貯蓄制度導入までの流れ」

労使協定と社内規程の整備

取扱金融機関が決まったら、賃金控除の労使協定(会社と従業員代表が書面で結ぶ取り決め)を締結します。給与から天引きして金融機関へ払い込む形をとるため、この書面がないと財形貯蓄は始められません。続いて社内規程を整えます。定める内容は次の4点です。

  • 貯蓄の種類
  • 取扱金融機関
  • 申込み資格
  • 申込み・変更・払い出しの受付時期

企業型DCを選ぶ場合は手順が変わります。従業員の過半数を代表する者などの同意を得て年金規約を作り、厚生労働大臣の承認を受ける必要があります。

出典:労働金庫連合会「財形貯蓄を導入するには 制度導入時の事業主の実務」/e-Gov法令検索「確定拠出年金法 第3条」

従業員への説明と募集

最後に従業員へ説明し、申込みを募ります。制度の中身に加えて申込み・変更・払い出しの受付時期を伝えると、後からの問い合わせが減ります。給与天引きで自動的に積み立てが進む点は、金融に不慣れな従業員にも伝わりやすい魅力です。事務担当者にも手引書や研修で手続きを覚えてもらうと、初回の受付でつまずきません。希望者には申込書へ記入してもらい、会社が取りまとめて取扱金融機関へ提出します。契約が成立したら、各人の積立額に沿って毎月の給与や賞与から控除を始めます。

出典:勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部「法人・事業主の方へ」

福利厚生の資産形成を定着させる従業員教育

福利厚生の資産形成を定着させる従業員教育

制度を配っただけでは、従業員の資産形成は動き出しません。加入時の説明で終わらせず、セミナーと個別相談を組み合わせ、毎年続ける形にすると使う人が増えます。効果は運用データで確かめられ、無料で使える公的な支援もあります。

制度を知らせるだけでは使われない

制度の案内を一度配っただけでは、従業員はほとんど動きません。国の指針でも、加入後に続ける教育は重要だと示されています。加入時に基本を覚えられなかった人の学び直しの場であり、関心が薄い人の興味を引き出す機会だからです。企業型確定拠出年金(企業型DC)では、加入後も投資教育を続けるのが事業主の努力義務です。国は定期的かつ継続的に学びの場を用意するよう求めています。制度を配って終わりにせず、年間の教育計画までセットで考えます。

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度について(法令解釈通知)」

セミナーと個別相談の組み合わせ

セミナーで全体の底上げをして、個別相談で一人ひとりの疑問を拾う進め方が効果的です。企業型DCを実施する企業では集合研修が38.9%、オンラインセミナーが35.6%まで広がる一方で、個別相談は10.0%にとどまります。家族構成や収入によって、無理のない掛金は人ごとに変わります。集団向けの説明だけでは、自分の判断まで踏み込めません。金融経済教育推進機構(J-FLEC)は、認定アドバイザーへの無料相談を用意しています。オンラインか対面で最大1時間、1人1回まで無料です。

出典:企業年金連合会「2023年度 企業型確定拠出年金実態調査結果」/金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家に相談したい」

継続教育で利用率を高める

教育を続けるほど、制度を使う人は増えていきます。参加率を上げるには、管理職からの声かけや労働組合への協力依頼、社内掲示板での複数回の告知が役立ちます。続けた効果は、次のデータで確かめられます。

  • 加入者向けWebサイトへのアクセス状況
  • コールセンターへの問い合わせ件数
  • 運用商品を入れ替えるスイッチングの件数
  • 掛金の配分を見直した人の増減

前年の同じ月と比べると、変化がつかめます。費用が心配なら、J-FLECの講師派遣が使えます。講義料と交通費は無料で、45日前までに申し込めば全国どこへでも来てもらえます。

出典:企業年金連合会「企業型確定拠出年金 継続教育実践ハンドブック」/金融経済教育推進機構(J-FLEC)「講師派遣(出張授業)」

福利厚生の資産形成に関するよくある質問

福利厚生の資産形成に関するよくある質問

中小企業でも国の制度をそのまま使えますし、財形貯蓄なら少ない事務負担で始められます。運用の結果まで会社が背負う仕組みではないものの、投資教育は努力義務です。費用は掛金が中心で、中退共には国の助成もあります。

Q. 中小企業でも福利厚生で資産形成を導入できますか?

導入できます。従業員300人以下の会社を対象にした制度が、国の仕組みとして用意されているためです。たとえばiDeCo+(イデコプラス)は、企業年金のない従業員300人以下の事業主が、従業員のiDeCoの掛金に会社の掛金を上乗せする制度です。掛金は合計で月5,000円から23,000円の範囲で決められます。退職金型なら中退共(中小企業退職金共済)もあります。一般業種は常用従業員300人以下または資本金3億円以下が対象です。

出典:厚生労働省「iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)」/中小企業退職金共済事業本部「加入の条件」

Q. 財形貯蓄と企業型確定拠出年金はどちらから始めるべきですか?

事務の負担が軽い財形貯蓄から始めるほうが現実的です。財形貯蓄は賃金からの天引きで積み立てる仕組みで、担当者の作業は給与計算への組み込みが中心になります。財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、あわせて元利合計550万円までの利子等が非課税です。まず貯蓄の習慣を根づかせる目的なら十分な効果が見込めます。企業型DCは税制の優遇が大きい一方、規約づくりや運営管理機関選びに手間がかかります。財形が定着してから検討すると無理がありません。

出典:厚生労働省「財形貯蓄制度」

Q. 従業員が運用で損をした場合、会社は責任を問われますか?

運用の結果そのものを会社が穴埋めする仕組みにはなっていません。企業型DCは従業員が自分で運用商品を選ぶ制度だからです。ただし会社の役割がゼロというわけではありません。確定拠出年金法第22条は、事業主に対し資産の運用に関する基礎的な資料を配るなどの措置を継続的に講ずる努力義務を定めています。投資教育をしないまま放置すると、説明が足りなかったと指摘される余地は残ります。説明会や資料配布は続けるほうが安全です。

出典:企業年金連合会「投資教育|年金Q&A」

Q. 制度の導入と運営にどのくらいの費用がかかりますか?

大きな負担は毎月の掛金で、事務手数料の水準は制度ごとに変わります。掛金の金額は会社が決められるため、予算に合わせた調整がききます。中退共には国の助成もあります。新規に加入すると、加入後4か月目から掛金月額の2分の1(従業員1人あたり上限5,000円)を1年間国が助成します。掛金月額18,000円以下を増額する場合も、増額分の3分の1が1年間助成されます。企業型DCは運営管理機関への手数料が別にかかります。複数社から見積もりを取って比べると判断しやすくなります。

出典:中小企業退職金共済事業本部「掛金の国の助成について」

従業員の将来を支える福利厚生から始めよう

福利厚生の資産形成支援は、財形貯蓄・企業型確定拠出年金・従業員持株会・職場つみたてNISAの4つから選べます。事務の負担が軽い財形貯蓄なら、労使協定と社内規程を整えるところから始められます。

大切なのは、制度を配って終わりにしない姿勢です。セミナーと個別相談を組み合わせ、毎年続ける形にすると使う人が増えます。従業員の将来の安心は、会社への信頼となって返ってきます。

当オフィスでは、FP相談の福利厚生導入や企業型DCの投資教育、退職金・賃金制度の設計支援まで、従業員のファイナンシャル・ウェルビーイング向上をワンストップで支援しています。まずはお気軽にご相談ください。

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